実験方法と調査方法を学ぼう! – 福井県立鯖江高等学校  

お知らせ詳細

2021.05.13

実験方法と調査方法を学ぼう!

令和3年度 第3号

 令和3年5月6日(木),探究科2年生の「探究」の時間に仁愛大学の西出和彦先生と織田暁子先生をお招きし,特別講義を行いました。探究科は2年生から本格的に課題研究が始まるため,実験方法と調査方法について学びました。

実験方法について

 西出先生からは,実験方法について説明していただきました。実験を行う際の注意点として,意味のある(結論の根拠となる)データを収集することの大切さを学びました。そのためには,まずは先行研究を徹底的に調べ,正しい方法(因果関係を何で捉えるか?)で正確に測定(条件の統一や再現性など)する必要があることを教わりました。また,生徒が立てた問いに沿った具体的なお話もして下さり,実験方法のヒントをいただきました。その後,西出先生のお話を踏まえ,各自が立てた問いの解決方法が思いつくかどうか,研究する意義があるかどうかを再確認するために,グループになってお互いにアドバイスをし合いました。

調査方法について

 織田先生からは,調査方法について説明していただきました。特に印象に残ったことは「調査されるという迷惑」でした。例えば,回答に5分かかるアンケートを50人に行うと,合計250分(4時間以上)の時間を奪うことになります。そのため,調査される側の時間的なコストも考慮し,本や新聞,先行研究の二次分析で問いを解決することも視野に入れ,調査は必要最低限にすることの大切さを学びました。また,アンケートでは,意識よりも行動や経験を質問したり,選択肢は相互排他的かつ網羅的に作ったりすることなどがポイントであると教わりました。織田先生からは具体的な質問文を出していただき,「あなたの好きな食べ物は?」を通してワーディング(言葉遣い)の重要性,「あなたは、犬や猫は好きですか?」からはダブルバーレル質問を避けるといったことを分かりやすく教えていただきました。他にも,標本調査の考え方や,研究を「楽しむ」ことの大切さも教わりました。

生徒の感想から

●「意味のあるデータを収集する」という言葉がとても印象に残り,何のために実験をするのかを事前によく考え,問いに答えるための根拠となるような実験をしていきたいと思いました。

●調査をするとき,何を明らかにしたいのか,そのためにどんなデータが必要なのかを考えることの大切さが分かりました。「調査公害」という言葉も初めて知り,人への配慮を忘れずに,的確な調査をしていきたいです。

●アンケートは手軽な方法だと考えていましたが,質問の仕方や順序によって答えに大きな違いが出てくることが分かり,とても奥が深いと感じました。

●探究して出た結果が,たとえたくさんの人のためになっても,結果が出るまでにたくさんの人の力を借りていることを学んだので,中途半端にならないように,みんなのためにしっかりと実験や調査をしていきたいです。

●いきなり実験や調査をするのではなく,まずは先行研究を徹底的に調べることの大切さが分かりました。自分の立てた問いが本当に解けるのか,もう一度考えたいと思いました。

           
               
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