お知らせ詳細
- 2025.07.07
教員が学ぶ「鯖江市の現状と地域連携」
教員研修会
地域協働ニュース 第2号
教員の指導力向上とこれからの探究活動の支援に役立てるため,7月2日(水)に教員研修会を実施しました。
前半は連携協定を締結している鯖江市から講師をお招きし,「地元鯖江を知る」をテーマに講演会を実施し,後半は指導力向上のための公開授業の実施について研修を行いました。
講演会では講師として鯖江市市民主役推進課の竹内陽一氏にお越しいただき,鯖江市の取り組みや現状,鯖江高校との連携について詳しく説明をしていただき,教員からの様々な質問に答えていただきました。

「市民が主役」のまち
講演会では,はじめに鯖江市の概要について説明がありました。まず鯖江市は「ものづくりのまち」であり,メガネ,繊維,漆器が大きな産業ですが,今ではその基本技術を活かして新たな製品を開発し,様々な分野に進出していることを教わりました。
そして最も大きな特徴は「市民が主役」ということであり,人口の少ない鯖江市で世界体操選手権が開催されたとき,行政とともにのべ3万人もの市民ボランティアが協力して大会が運営できたという経験をもとに,行政と市民が一体となったまちづくりが定着していきました。2010年には「市民主役条例」を制定し,市民が自分事として積極的に行政にかかわれるようになっていきました。

学生連携のまちづくり
鯖江市ではこれまでに市民の声,中でも若者の声を聴き,若者が参加できる街づくりをすすめ,様々なイベントやコンテストなど他の自治体にはない特徴的な取り組みを行ってきました。また多くの学校との連携も進めてきており,令和元年には鯖江市・鯖江商工会議所・鯖江高校の三者連携協定を締結し,鯖江高校生もこれまでに多くの場面で鯖江市の活動に参加するようになっていきました。今では鯖江市の各部署の方々とともにイベントの企画段階から参加し,運営を行うようにもなっており,地元に根差した活動が定着しています。

若者への思いとは?
最後に教員から,「鯖江市の方々は,高校生に対してどのような気持ちで協力をしていただいているのか?」という質問が出ました。
それに対して竹内氏からは次のように答えられました。
「鯖江市には行政だけではできないという文化がある。そして若者の声を聴き,若者と協力して何かをするという文化が早くからあった。学生がしてみたいということについて,行政の意見が聞きたいというとき,行政がそれを拒む理由はない。」
「地方自治体の課題として,18歳を超えると県外に出る人が多く,地元に帰ってこないことがあげられる。18歳までにどれだけ地元に愛着を持ってもらえるか,親,先生以外の大人で親身になってくれた人がいたという体験を18歳までにどれだけしてもらえるか。この経験がないと絶対に帰ってきてくれない。」
我々教員も生徒たちに地元に愛着が持てるよう,教員が鯖江市の魅力をもっと知って,指導や支援をしていかなければならないと強く感じることができた教員研修会となりました。
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