1学年探究科 研究手法を学ぶ – 福井県立鯖江高等学校  

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2020.12.09

1学年探究科 研究手法を学ぶ

12月4日(金)総合的な探究の時間に、1学年探究科では仁愛大学より西出和彦教授、江南健志准教授に講師としてお越しいただきました。今回は文系講座と理系講座に分かれ、課題研究における研究手法について学びました。

理系:西出先生 “先行研究を徹底的に調べる”

理系生徒22名は視聴覚室で、西出先生の講義を受けました。はじめに、前回(11月20日)の講義の内容を振り返り、グループで出し合った「問い」が良い「問い」なのかを考えました。次に、

研究手法は主に4つあり、
①実験・観察
②調査
③文献研究(文献レビュー) ④事例研究(ケーススタディ)である

ということを知りました。そして、学問領域(自然科学や人文・社会科学)によって研究手法には特徴があり、研究手法を手に入れるためには、先行研究を徹底的に調べ(調べ学習)、目的に合った手法を探すことが大切であると教わりました。また、2年次から取り組む課題研究の過程(課題設定→先行研究→仮説立案→研究計画→観察・実験→結果の考察→発表・論文)とゴール(レポートの骨格)を確認しました。中でも特に「課題設定」が最も重要かつ大変なものであり、先行研究を批判的にじっくりと時間をかけて読み解き、「問い」を手に負える小さなものに絞っていくことの大切さを学びました。

文系:江南先生 “社会科学の考え方”

文系生徒16名は1-1教室で、江南先生の「社会科学の考え方」の講義を受けました。江南先生は地域社会学や環境社会学が専門で、フィールドワークによる調査をされています。自己紹介の後、理系(自然科学)と文系(社会科学・人文科学)の考え方や研究手法について、社会学以外にもさまざまな学問について話をされましたが、実は基本的に違いはないということでした。しかし研究上のアプローチに違いがあり、「物事をどう捉えるか」によって変わってくるところが文系の研究の面白さであり難しさでもあるということでした。そして、具体的な場面を想定して『実証主義』と『解釈主義』について説明してくださいました。対象者との関係性が調査では重要で、調査結果の捉え方にも関わってくるという話でした。少し難しい内容でしたが、生徒たちは真剣に聴き、先生からの質問には緊張しながらもしっかり答えていました。

生徒の感想

★先行研究を批判的に見ていくことで、課題研究のテーマや研究手法のヒントを見つける手がかりになるということが分かりました。

★文系は、「解釈主義」といって質的な手法が使え、人の価値観や考え方によって研究結果が変わり、一方で理系は、「実証主義」であるため、量的な手法によって結果が一つに導き出されることが分かりました。

★研究手法を探すためには、先行研究を徹底的に調べることが大切であることが分かりました。先行研究における実験方法を活かして、自ら考えた工夫した実験を行えるように、考える力を育んでいきたいです。

★文系の研究とは、物理的なものではなく、人間社会のような目に見えない事象に対する課題が多いことが分かりました。そのため、人間の感情と、相手との信頼関係を考慮することが大切だと感じました。

★良い研究をするためには、ある程度、結果までの道筋が分かるような課題設定が大切だと実感しました。また、レポートを作成する際には、実験結果だけでなく、予想や考察、今後の課題などもまとめることが必要であることが分かりました。

               
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