古典芸能を学ぶ ~人形浄瑠璃体験~ – 福井県立鯖江高等学校  

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2021.03.20

古典芸能を学ぶ ~人形浄瑠璃体験~

実際に触れて演じて、魅力を感じる

2月10日(水)6限目、選択音楽を受講する2年生が人形浄瑠璃について学習しました。「近松座」から大橋國利さんをはじめ7名をお招きしました。「近松座」は平成17年に鯖江市の有志の方々が立ち上げた人形浄瑠璃座です。元禄文化を築いた近松門左衛門は、幼いころ鯖江に住んでいたという史実があり、文楽のまち鯖江として、古典芸能を多くの人に知っていただきたいと現在も活動をつづけていらっしゃいます。コロナ禍と大雪の影響もあり実施が危ぶまれましたが、昨年に引き続き、今年もご協力いただくことができました。

呼吸を合わせる

人形浄瑠璃は、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。太夫と三味線は、どちらが指揮者というわけでもなく、お互いの呼吸を合わせて進めていきます。

太夫役は4名の男子生徒。情景や感情を三味線の音色に合わせて、情感たっぷりに語っていきます。台本には音階や強弱などの微妙な違いが記号で書き込まれています。記号の1つである「サワリ」は、一番心をつかまれる聴かせどころを指していて、現代語にも残っています。太夫担当の生徒は、南和彦さんからさまざまな資料をいただきながら熱心に練習し、一人でも大きな声で堂々と語れるまでになりました。

三味線担当は6名の生徒。初めて触れた三味線に少しびくびくしながらも、栗山祐子さんから約20分間の指導をうけ、太夫の語りにタイミングを合わせて撥で力強くつま弾けるようになりました。

人形遣いの担当の生徒は、3人グループに別れ順番に人形操作を学びました。人形は3人で1体を動かします。3人の息を合わせて、人間が動いているように見せなければなりません。胴部を支え、頭部と右手を操作する人。右手で人形の左手の操作する人。かがんだ姿勢で足を操作する人。生きているように操作できるまでには相当な練習が必要だと感じました。また、人形の構造の説明を教えていただき、指やまぶたの動きの細かさに驚く生徒もいました。

今後、各担当で練習を重ね、6月に成果発表会をする予定です。

文楽を映像で見て知っているというレベルでなく、実際に声に出し、人形や三味線の重さを実感することを通じて、江戸時代の人々の生活をより深く理解することにつながっていきそうです。また、江戸文化への発展学習や、古文読解や人間の動きの研究、英語版の台本創作など、教科を横断した学習の可能性を感じることができた授業でした。

生徒の感想

なかなか体験できない三味線を体験することができてとても楽しかったです。

中学校の時、人形遣いの体験をしたことがありましたが、三味線は初めてでした。新しいことに挑戦できて楽しかったです。

三味線の体験をしました。普段はギターを弾いているので、ある程度はできるかと思いましたが、バイオリンのようにフレットが打っていないので正確な音を探すのがとても難しかったです。

★太夫は声だけで役を表現しなくてはならなく、声の出し方や話し方、長さなど、さまざまな工夫が必要であることが分かりました。練習を重ねて、よりよい表現ができるようになりたいです。発表会では緊張して早口にならないよう、ゆっくりと語れるように練習したいです。

               
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