お知らせ詳細
- 2021.06.14
人形浄瑠璃 学び披露へ
令和3年度 第4号
令和3年6月7日(月)4限目,選択音楽を受講する3年生が,鯖江人形浄瑠璃「近松座」の大橋國利さんをはじめ団員の皆さんから人形の操り方や語り,三味線の演奏方法などを学びました。
鯖江市ゆかりの近松門左衛門の人形浄瑠璃について学んできた成果として,11月の東海北陸音楽教育研究大会で人形浄瑠璃「傾城阿波鳴門 巡礼歌の段」を披露します。
阿波徳島の城主から勘当され,盗賊となった夫と大坂で暮らす妻。そこへ徳島に置いてきた娘が,巡礼の旅にやって来る・・という物語です。
人間の機微に触れる表現を
上半身,右手,首振りの全体を主導する主遣い,左手を操る左遣い,足を動かす足遣いの3人が意気を合わせて一体の人形を操ります。まるで生きているかのような人形の細やかな動作や表情,そして人間の機微に触れる表現など,細かい指導を丁寧に受けました。座るときの体の角度や仕草,大人と子どもの歩き方の違いをどのように表現するかなど,実際操ってみると少しの動かし方の違いで雰囲気が大きく変わる面白さなども感じている様子でした。
芸を極めるもの同士
太夫役の3人の男子生徒は,床本という詞章本をもとに,登場人物のセリフから,情景や心理を表現する地の文までの全てを語ります。各々が旋律や強弱を床本に都度書き入れて,一つずつ確認をしながら練習しました。自分だけの床本が出来上がっていき,3人それぞれの持ち味を生かした喜怒哀楽を感じられる語りに仕上がってきました。
緊張をするとリズムが速くなりがちになる,しかし大きい声を出す時にはやまびこを聞きゆっくりになる。そのためどうしても速くなったり遅くなったりしてしまう。その太夫のリズムを取る役割が三味線で,三味線は太夫にとって客観的スピードを計る助けとなるもの,ということでした。
三味線担当の3人の女子生徒は,強めにはじくと芯のある音がでることなどを体感し,簡単なところは弦を見ずに弾くことができるようになりました。太夫の語りにタイミングを合わせ,三味線もまた物語を語り,授業時間の終盤には,太夫役と三味線担当の生徒たちだけで呼吸を合わせ,見事競演ができました。
生徒の感想より
〈三味線〉太夫の語りに合わせるところはリズムが決まってないので合わせるのが難しかった。リズムが速いところも弦を見ずに弾けるようにしたい。
〈太夫〉歌の部分と語りの部分の音程を取るのが難しかったけれど,あまり音程は気にしなくて良いと指導して頂いたので,大きな声で堂々と語れるようにしたい。
〈人形遣い〉小道具を実際に人形が持っているかのように見せるのが難しかった。ちゃんと話しを聞いているように見せるために,頭を傾けたりさせるのが難しかった。