放射線とはどのようなもの? ~放射線の観察~ – 福井県立鯖江高等学校  

お知らせ詳細

2021.12.14

放射線とはどのようなもの? ~放射線の観察~

3年 生物 特別授業

令和3年度 第16号

 令和3年12月7日(火),3年生の生物の授業で「放射線」に関する特別授業を行いました。講師として日本原子力発電株式会社より佐藤壌氏と池田龍子氏をお招きし,環境教育の一つとしてこれまでに授業で学習した「放射線」について,正しい知識と興味をもてるように,実験と観察を行いながら特別授業をしていただきました。

自然界に存在する放射線

 最初に,佐藤氏に放射線について授業の復習も兼ねて,基礎的な知識から説明をしていただき,放射線が特別なものではなく,身近に存在していることを教えていただきました。まず,放射線は自然界に存在していると説明を受けました。放射性物質は大地や空気中にも存在し,宇宙からも届き,食物中にも含まれているもので,私たちは常に放射線を受け生活していると教えていただきました。また一般的には危険なイメージがある放射線ですが,医療器具の滅菌やがん治療,X線検査などの医療分野や,タイヤのゴムの強化,土器の年代測定,ジャガイモの芽止めなど,様々な分野で広く活用されており,私たちの生活に非常に役に立っていることも教えていただきました。

放射線を観察しよう!

 実際の放射線は目に見えないものですが,過冷却したアルコールの蒸気の中を放射線が通過すると,その軌跡が目に見えるので,放射線の動きを観察することができます。そのための実験装置「霧箱」を自分たちで作って観察する方法を池田氏に指導していただきました。実験装置はプリンカップやウレタンテープなど,身近な材料で比較的簡単に作成できるので,生徒たちも楽しみながら作成していました。しかし,いざ放射線の観察をしようとすると,うまく見える班とそうでない班があり,なかなか苦戦していた班も多かったようです。でも実際に放射線が四方八方に飛んでいく動きが観察できて,生徒たちは声を上げて喜んで観察していました。

放射線を遮断するには?

 次に,放射線は飛散する距離によって減衰し,遮蔽するものによって透過する度合いが異なることを確かめる実験を行いました。放射線源から4方向に放射線測定器を設置し,距離が離れるにしたがって測定値が小さくなることと,放射線源に4種類の板で作られた遮蔽物をかぶせ,それぞれの方向で測定値が異なることを確かめました。

正しい知識で,正しい判断

 生徒たちは,この特別授業で,放射線に関する正しい知識を身につけることができたようでした。授業の最後のあいさつでは「今日はいっぱい放射線について学べてよかったです。私は将来,放射線のある所の近くで住むのなら,鉛で家を作りたいです。」とユーモアを交えて謝辞を述べ,非常に楽しい中にも,貴重な経験ができた充実した授業を受けることができました。

           
               
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