探究活動での調査の方法について – 福井県立鯖江高等学校  

お知らせ詳細

2022.05.03

探究活動での調査の方法について

仁愛大学教員による特別講義

~探究科2年生 探究~
令和4年度 地域協働ニュース 第2号

 4月28日(木),前回に引き続き探究科2年生を対象に,仁愛大学教員による特別講義を実施しました。今回は織田暁子准教授にお越しいただき,「調査の方法 ~アンケート調査を中心に~」というタイトルで,探究活動では重要な調査方法について,専門的な立場から分かりやすく指導していただきました。

調査を行う前に大切なことは?

 探究活動を進めていくために,多くの人は調査活動を行うことになりますが,まずは調査活動の必要性について説明をしていただきました。適当な調査をしても,正しい方法でなければ,そのデータに価値がないことや,調査される側には負担や迷惑がかかっていることを意識しておく必要があります。そのため,先行研究や文献などを前もって十分に調べた上で,自分の研究にとって必要最小限度で,内容を十分に検討したもので調査をしなければならないと教えていただきました。普段は気づかずに,とりあえずアンケートをとってみるということをやりがちですが,無駄な内容があったり,不十分な質問で必要なデータが得られなかったりして,自分も相手も無駄な時間と労力を取ってしまうことになります。研究を進めるには,まずリサーチクエスチョンを立てて,その答えを導くための文献や先行研究を調べて,十分に計画した上で,さらに必要なデータについてアンケートなどの調査活動をしていくことが大切です。一度アンケートを取ったらやり直しがきかないので,アンケートを取る前の段階で,リサーチクエスチョンを修正するなど,何度も計画を練り直して,十分に準備ができてから初めてアンケート調査できるということを教えていただきました。

こんな質問は「×」

 アンケート調査をするとき,注意しなければならないことについて,質問の内容や回答の方法など,ポイントを絞りながら解説していただきました。質問に関しては,一つの質問に対して複数の内容が含まれていて答えが一つに絞れないものや,前問の影響を受けてしまい正しい判断がしにくいもの,一般的な質問と個人的な質問が混ざっているものなど,また回答に関しては,答えようとしたときに迷ってしまうものや,自分の思った回答項目ないもの,1つ回答か複数回答かなど,見落としがちなものを具体例を挙げて分かりやすく説明していただきました。また,言葉の重要性について,人によって質問文の受け取り方や想像するものが違うと,ばらばらの回答になってしまい,そのデータから調査結果を発表してしまうと,間違えた内容を公表してしまうという危険があると説明されました。
これらの内容を考慮しながら,架空の「仁愛レストラン お客様アンケート」の内容のおかしなところを探す活動を行い,どのようにすればよいアンケートになるかを考えさせました。

データはどうする?

 アンケート調査は,リサーチクエスチョンを明らかにするために必要なデータを取るものなので,そのためにどのようなデータが必要かを検討し,取ったデータについては,データを検証し効果的に表現できるよう,クロス集計やグラフの種類などについて具体的な例を挙げて説明していただきました。
 最後に,調査方法や分析方法に,これぞという正解はないが,「これは間違い」や「これはやってはいけない」ことはあります。そのためにはアンケートでは先行研究などを十分に調べた上で,何度も練り直して行う必要があると指導していただきました。

           
               
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