教員が学ぶ「鯖江市の魅力」 – 福井県立鯖江高等学校  

お知らせ詳細

2023.07.04

教員が学ぶ「鯖江市の魅力」

~教員研修会~
地域協働ニュース第7号

 教員の指導力向上と,地元の鯖江についての知識を深め,生徒たちの探究活動の支援に役立てようと,今年度も鯖江市で活躍されている方を講師としてお招きし,教員研修会を実施しました。今回は TSUGI LLC. 代表/クリエイティブディレクターの新山直広氏にお越しいただき,県外出身者からみた鯖江市の現状や魅力,そして取り組まれている具体的な活動を教えていただきました。

伝統工芸の集積地「越前鯖江」

 新山氏は,まず自身の活動の基盤となっているデザインについて,目に見えるものだけではなく,システムデザインやサービスデザインなど,現在ではその幅が広がり,複雑化しており,様々なものをつなぐ役割がデザインであると説明されました。
 お話の中で,日本は世界で一番,伝統工芸が残された国であり,特に鯖江市,越前市,越前町の「越前鯖江」には,越前漆器,越前和紙,越前打ち刃物,越前箪笥,越前焼,繊維の7つの地場産業が半径10km以内に存在する,世界に類を見ない地場産業集積地であることが示されました。私たち地元の人にとって,それぞれの地場産業の存在は知っていましたが,これほどまでに集まっていたことは気づいておらず,他のまちでは絶対真似のできない周辺環境だということを知りました。

日本一柔軟なものづくり

 そんなまちが,この10年間で変化しているといいます。最近は自社商品を開発して,一般のお客様向けの商品をこのまちの職人が作り,直接販売するところが増えています。そしてその商品は伝統工芸であるが,今どきの雑貨屋に置いていても遜色ないようなデザイン性の高い商品も非常にたくさんあります。これは越前鯖江の伝統工芸が美術工芸ではなく,産業工芸であり,時代に合わせたものづくり,時代の変化を受け入れてニーズに合う商品を作るという職人の柔軟性と,新しいことにチャレンジできる環境があったからだといいます。

移住したいまちに!

 そんなものづくりのまちにあこがれて,新しいことにチャレンジしようと,若い人たちが鯖江に移住するようになりました。はじめは職人として移住してくる人がほとんどでしたが,それをデザインするデザイナーとして,次はそれをプロデュースする立場として,そして今ではそんなまちが面白そうだからと,若い人たちが集まるようになったといいます。県外の人たちから見ると,鯖江は柔軟性があり,新しいことにチャレンジできるところと認識されているようで,いい循環が起こっているようです。

住んで分かった鯖江の魅力!

 最後に教員から,鯖江の魅力や,子どもたちが鯖江に居続けるためにはどうしたらいいかという質問がでました。新山氏からは,はじめは鯖江に魅力を感じて移住したわけではなかったが,住んでみてはじめて鯖江の魅力が分かり,本当のファンになったといわれました。また子供たちが鯖江に居続けるためには,地元に魅力がある,同世代で面白い人がいる,自分も関われるのではないかなど,居場所や出番があるということを感じるかどうかが重要ではないか,そして我々大人が,このまちはいいよ,関わる余地があるよと子どもたちに伝えることが第一歩ではないかといわれました。
 地元にいるからこそ見えていないことがあり,なぜ外の人がそれに気付くことができて,自分たちが気付くことができないかを知ることができました。これからの探究活動などで是非生徒に伝えていきたいと実感できた研修会となりました。


           
               
Copyright (C) Sabae High School All Rights Reserved.