鯖高生が探Q!my WLB(ワーク・ライフ・バランス)

令和3年度 第8号

 令和3年7月21日(水)・28日(水)の2日間,本校OBで株式会社For Smile代表取締役の加藤裕美氏を講師としてお招きし,自分のワーク・ライフ・バランス(以下WLBと略記)について考える研修会を実施しました。9名の生徒が参加しました。全員が女子生徒で,結婚や出産,育児など,自分のライフステージに合わせたWLBを考える機会となりました。

そもそもWLBってどんな考え方?

 まず,21日(水)の1回目の研修会では,WLBの基本的な考え方を学習しました。WLBとは「生活と仕事の調和」であり,そのためには,①仕事と生活(家庭)それぞれを充実させることで「相乗効果」を狙うこと,②仕事と生活(家庭)のどちらかを犠牲にすることではないこと,が大切なことだと学びました。
 また,自分のWLBだけでなく,パートナーのWLB,職場の同僚のWLBについても考えなければいけないこと,そのために社会全体で働き方改革に取り組むことの重要性についても学ぶことができました。

将来の自分のWLBを考えてみよう!

 28日(水)の2回目の研修会では,1回目の研修会の内容を踏まえ,自分のWLBを考えるグループワークを行いました。グループで年齢や仕事,家族構成などを設定し,こんな仕事や会社だったらいい,パートナーとこんな関係をきずけたらいい,など,自分の理想のWLBについて考えを深めていきました。「子どもが体調を崩した時に気楽に仕事を頼める関係性を維持したい。そのために普段から社内旅行やバーベキューなどをして職場の仲間意識を高めるような会社が理想」「子育てや教育の方針について普段から話し合えるパートナーとの関係を築きたい」など,今の高校生が考える仕事や家庭生活についての正直な意見が出され,参加者みんなで共有しました。また,結婚すれば妻となり,出産すれば母となるが,それでも自分らしい自分でいるために,自分の時間を大切にすることとパートナーと常に話し合いをすることの重要性についても確認しました。
 最後に,講師の加藤氏から,「自分が就職したときより格段に社会は良い方向に変わってきている。あなた達が声をあげ,発信していくことが,社会の変化を加速させる。そうすることで,後輩達はもっと良い環境の中で仕事も家庭も充実した人生を歩むことができるようになる」とのメッセージをいただきました。

 今回の研修会は,鯖江市が積極的に取り組んでいるSDGsの「ジェンダー平等」だけなく,「働きがい」や「パートナーシップ」にも深く関わる内容で,普段の学校生活の中ではなかなか考えることができないもので,貴重な機会となりました。なお,この研修会の内容は鯖江市が発行する「広報さばえ」の10月号から5回の連載記事として紹介され,鯖江高校の取組みが広く発信されることになっています。

R3地域協働ニュース第8号-PDF版

こんにちは。クッキング部です🌻⑮🍉

こんにちは。クッキング部です。梅雨が明けたと思ったら連日猛烈な暑さですね。栄養や休息をしっかり摂り、適切なエアコン使用で体調維持に心がけようと思います。

【6.2 ミックスベリーチーズケーキ】

ブルーベリーやラズベリーがこれから旬をむかえます。冷凍のものを使ったので4種のベリーが味わえました。見た目も華やかで、気分が沈みがちな梅雨にはぴったりです。

【6.9 鶏むね肉の野菜巻き 梅酒風味】

鶏もも肉の野菜巻きを梅酒で味付けしたのがポイントです。梅シロップや梅酒用の青い梅がスーパーに並んでいますが、風味で季節を感じることができる料理になりました。

中に入れる野菜はアレンジ自由。好きなものでもその逆でも、もも肉で巻いたらおいしくなります。たこ糸で縛るのが難しかった。

【6.23 アスパラとアサリのパスタ】

アスパラとアサリの風味をしっかり味わうため、シンプルに塩コショウだけで味付けしました。アサリは3%の塩水にひたひたに浸け暗所で砂抜きをしました。海中の状態と同じにすることでしっかり吐き出し、料理の出来に違いが出ます。

【7.6 七夕ゼリー】

夜空に白く流れる天の川をイメージしました。カルピスゼリーとサイダーゼリーは食感が違う出来上がりです。サイダーゼリーはふるふるっと緩めの固まり具合。時間もかかりました。星形のナタデココは流れ星のようです。

【7.14 3年生リクエスト 台湾カステラ】

1学期最後の部活動は3年生のリクエストメニュー。ふんわり、ふるふる、しゅわしゅわ食感の台湾カステラです。メレンゲを使ったり湯煎焼きしたり、日本のカステラとは全く違う作り方です。冷蔵庫で冷やすとしっとりして別の味わいになりました。

3年生の先輩方、今までありがとうございました。進路実現に向けて頑張ってください。

「鯖江市の企業との交流会」を行いました

~ 地元企業の先進的な取り組みを知る ~

令和3年度 第7号

 令和3年7月15日(木),昨年度に引き続き鯖江商工会議所にご協力をいただき,1年探究科の生徒を対象に「鯖江市の企業との交流会」を行いました。この活動は,鯖江市内の企業で働く人々との交流を通して働く意義や社会貢献について考え,進路意識の向上を図ることを目的としており,今回は特に世界で活躍する企業や,最先端の技術を持つ企業に参加していただきました。交流会の流れと,参加していただいた企業は下記のとおりです。

交流会の流れ
 8:40~ 8:55 全体会
 9:00~ 9:30 交流会1
 9:45~10:15 交流会2
10:30~11:30 レポート作成
11:40~12:10 発表会
参加企業(五十音順)
  アイテック 株式会社
  株式会社 鯖江村田製作所
  タイヨー電子 株式会社
  福井めがね工業 株式会社
  ヨシダ工業 株式会社

 まず生徒は希望した企業2社と交流した後,それぞれが1社についてレポートを作成しました。そして各企業のレポートを作成したそれぞれの代表2ずつによって,企業の方も参加していただいて中で,発表会を行いました。

気が付かないところに鯖江の技術

 交流会では,メガネ加工やその他のこれまでの技術を受け継ぎながらも,更にその技術を進化させたり,新たなものに取り組んだりして,その技術が身近な製品のあちこちに使われ,シェアの多くをその企業で占めているものがあることを知ることができました。それらの技術や新たな取組みは,今必要とされているものを知り,自らそれに挑戦して,試行錯誤を繰り返していくことが重要であることを教えていただきました。

鯖江を拠点に世界へ

 また,それらの技術は国内のみならず,海外でも信頼され,製品が海外へも多く輸出されており,海外でも多くのシェアを占めているものもあります。また海外の企業と連携をしたり,会社自体も海外に進出したりしていて,地元鯖江に根ざしながら,世界各地で事業を展開して活躍している企業もあります。このような先進的な取り組みをしている企業の方と直接交流できたことで,生徒たちは,これまで知らなかったことや気づかなかったことを知ることができ,働くことの意義や,それによる社会貢献について真剣に考えることができたようでした。

 発表会では,教えてもらったことやわかったころ以外にも,それぞれが感じたことなども発表でき,参加した企業の方々にも伝えることができました。企業の方々も,それぞれの様子を若い人たちに伝えることができ,交流できたことを喜んでおられ,鯖江には今回参加した企業以外にも活躍している企業が多くあるので,今後,地元鯖江にもっと目を向ける機会になればうれしいとおっしゃっていました。

生徒の感想

 鯖江の企業が外国に進出していることや,世界の目の不自由な人を救う取り組みをしていることは知りませんでした。グローバル化が進んできている中での効果的な取組みだと思いました。

 あまりメッキを意識してこなかったけど身の周りにも結構あるのだと思いました。鯖江高校の卒業生が開発した技術もあると知ることができてうれしかったです。

R3地域協働ニュース第7号-PDF版

教員研修会・山岸充氏による講義

~タイムリーさばえ~ 鯖江の今と可能性の概論

令和3年度 第6号

 令和3年7月1日(木),教員研修会が行われました。先ず教員が一堂に会し,指導力向上のための活動内容を確認し,グループごとに打ち合わせを行いました。教員の指導力向上を目的とし,授業の公開や外部講師による研修会の開催など方向性は昨年度から継続し,より成果を見出せる授業の創造に教員全員が取り組みます。

 グループごとに相互の授業公開等を確認した後,株式会社わどう 代表取締役 山岸充氏をお招きし,教員研修講義を行いました。

 山岸氏は1990年東京生まれ,5年前に鯖江にIターン移住をし,今秋には第一子誕生の予定で教育は専らの関心事。バスケットボールなどの地域スポーツ活動も盛んに行っており,鯖江高校が今後,地域鯖江とどう連携を取っていくか?生徒が何をどういうところで学ぶか?を軸に,鯖江の今と可能性の概論をテーマに講義していただきました。

地域づくりのまち鯖江

 全国的にも鯖江は地域づくりで有名で,山岸氏が一番最初に鯖江に遊びに来た時,市役所や地元めがね企業,まちづくり団体など,鯖江の雰囲気がとても面白いと感じ,鯖江旅行に来た帰りに「ここに移住しよう!」決断したそうです。

 鯖江の名前の由来から,継体天皇時代に越前漆器が盛んになった歴史や,幕藩体制の下鯖江藩のほか小浜藩など色んな藩が入り乱れていた珍しい地域だったため多様性が有り,色んな人が色んなことをする許容力が高いという鯖江の今の気質に繋がっていると感じている時代の流れなど,歴史から紐解く現在の鯖江を先ず講話いただきました。

 鯖江の転換期となったのが1995年(平成7年)の世界体操大会。鯖江高校は体操の強豪校としても有名ですが,世界体操大会はそれまでヨーロッパ中心でアジアはおろか日本で開催されることもなく,当時人口6万人の小さな町・鯖江で開催されることとなり世界から注目を浴びました。物理的にもハードで行政だけでは追いつかず,市民約3万人がボランティアとして花いっぱい運動や駐車場整理・会場清掃など,大会を周辺からバックアップする活動に参加し,市民総出で成功させ,これが今の鯖江の雰囲気と流れにつながっているということでした。そして2010年,まちづくりの主役は行政ではなく市民だと行政が自ら宣言した条令「鯖江市民主役条例」が全国でも先駆けて施行されました。

多様性 × まちへの主体性

 諸藩が入り乱れていた鯖江は,他者に対しての受容力が高い多様性,そしてまちへの主体性が非常に高く,山岸氏ご自身が自分を含めた外から来る人間が言い表せない不思議な雰囲気を感じる町だと語ってくださいました。他者をスムーズに受け入れ,他者の主体性に対して応援するムードがあるため,移住者が多いのだと感じるとのことです。地域で生まれ育ちこれが当たり前だと思っていた私たちにとても刺激的で,誇らしい気持ちにさせてもらったと同時に,益々住みよいまちに自分たちがしていくと思い定め,そして授業づくりにおいての主役は生徒であることを改めて感じました。

 地場産業から新産業,文化・芸能・農業・教育・・・,多岐にわたってアンテナを張り巡らせている山岸氏から,プロジェクトや課題探究の材料となり得る「鯖江のおもしろいヒト!コト!」を幅広くご紹介いただき,最後に,統一されたまちづくり計画をもつことと,今までの教育に加え社会へのアプローチがいかにできる人材を育てるか,この「都市計画」と「創造教育」が鯖江の課題であり,まちとひとの未来につながるということでした。

 山岸氏の鯖江・福井に対する大きな愛を感じ,今後の授業展開への多くのヒントがちりばめられた講義を,鯖江の魅力化・活性化に役立てていきたいと教員一同気持ちを新たにしました。