世界を模した「2030SDGs」カードゲーム体験

探究科1年総合的な探究の時間

令和3年度 第18号

 令和3年12月17日(金),総合的な探究の時間に,探究科1年生がカードゲーム「2030 SDGs」の体験を通して,世界中で行われている持続可能な世界の実現の取り組みとその影響について考える学習をしました。今年度も「エコネットさばえ」の楳原秀典さんをファシリテーターとしてお迎えし,地域協働事業の一環として,地域にいながらでも可能な具体的な行動について学び,自分自身の行動について考える機会をもちました。

やりがい! 情熱! お金! 時間!

 生徒38名が13チームに分かれ,与えられたお金と時間を使ってプロジェクト活動を行います。プロジェクトを達成すると別のプロジェクトカードを得て,世界の状況メーターに変化が加えられ,最終的にそれぞれのチームの目標と世界のSDGs達成を目指します。

 「大いなる富」が目標のチームは,ゲーム終了時にお金を1,200G以上持っていたら目標達成,「貧困撲滅の聖者」が目標のチームは,青の意思(やりがいや情熱)を10枚以上持っていたら目標達成となります。

 クラス全員で創りだす世界の経済・環境・社会の状況を表す3色のマグネットがそれぞれ10個以上で,皆で創りあげた世界のSDGs達成となります。

一人のアクション,世界が変わる

 ゲームのスタートは2016年,前半9分の終了時点で2023年の世界ができあがります。前半は,まずは各チームが自分の目標に向かってプロジェクトを実行していました。順調に目標に向かうチーム,なかなかゴールが見えないチーム,その中で世界の状況の変化にハッとした表情を見せて相談を始めるチーム,それぞれのチームが村や地域や国となって世界を変えていきました。

 前半を終了し, 2023年の世界は経済24・環境1・社会1,目標を達成したチームは4チームでした。経済活動は絶好調の反面,環境はゲリラ豪雨や大型台風の多発など危機的状況,社会は分断し絶望的な状況です。前半を踏まえての後半13分では,他のチームと討論したりカード交換の交渉をしたり,またプロジェクトの共同実施を呼びかけるチームもあり,一人ひとりが活発に行動をおこし,世界全体がとても盛り上がりました。

 結果後半を終えて2030年の世界の状況は,経済19・環境11・社会12でSDGs達成!目標を達成したチームは12チームでした! 楳原さんとゲームを振り返り,前半と後半で変わったこと,もっとどうしたら良かったか?意見を出し合いました。各々のチームができること(もっているもの)をオープンにしたら,全チームが目標達成できたし,より連携した大きなプロジェクトが達成できた,との意見に,現実社会と通じるものを実感している様子でした。

生徒の感想

◦人と人・国と国が対話し協力することで,個人の目標達成やSDGs達成ができると思った。

◦皆が幸せであることが自分の幸せになると気付いた。

◦経済・環境・社会,バランスを保ちながらの向上は難しかった。

◦お金の目標に固執していたら時間がなくなった。バランスが大事だと思った。

◦1チームだけ目標達成ができなかったけれど,他の全チームが協力すれば,その1チームを助けることができた,社会でも同じことが言えると思う。

◦全世界が協力することがSDGs達成の近道だと感じた。

「眼育さばえ」ビジョントレーニングを体験!

眼育(めいく)さばえ」~普通科2年生 SDGs探究活動~

令和3年度 第17号

 令和3年12月16日(木)の午後に,普通科2年生「鯖江市SDGs探究プロジェクト」の活動で「眼育」をテーマにしているグループの生徒(39名)が,目の健康体操やビジョントレーニングなどの体験をしました。「眼育」とは鯖江市が「めがねのまち」は「目にもやさしいまち」でありたいという思いから取り組んでいる活動で,今回は鯖江市と連携して活動するNPO法人「みるみえる」の方々にお越しいただき,生徒たちに直接ご指導をしていただきました。

まずは目の健康体操

 まずはじめに,ビジョンインストラクターの坂井晴香氏に,鯖江市オリジナルの「目の健康体操」を準備運動としてご指導していただきました。生徒たちは坂井氏の動きに合わせて腕を前に出し,親指を立てて,親指にしっかりとピントを合わせて眼球だけを動かすなど,楽しそうに体全体を動かして,これからのトレーニングに向けてしっかりと準備体操に励みました。

いざ,ビジョントレーニング!

 ビジョントレーニングは専用の機器を使い,大型モニターに映し出される映像を指でタッチするトレーニングが何種類かあり,動体視力や空間認識などの能力を測定し,トレーニングすることができるものです。このトレーニングで脳を活性化させ,集中力や判断力を鍛えることができ,スポーツ選手のトレーニングにも活用されています。インストラクターの橋詰公人氏の指導のもと,8人程度のグループごとに順番でビジョントレーニングの体験をしました。生徒たちは楽しそうに,また真剣に取り組んでいて,測定結果や判定が出るたびに歓声が拍手が起こっていました。中にはプロのスポーツ選手並みの測定結果を出した生徒もいて,非常に盛り上がった体験活動でした。

ブロックストリングスも体験

 ビジョントレーニングの順番が回ってくるまでは,加藤裕之氏のご指導のもと,丸い球を通したひもを使って,二人一組になって,ブロックストリングスの体験を行いました。ブロックストリングスは両眼が正常に働いているかを知ることができ,両眼視を鍛えることができるトレーニングです。はじめのうちは,生徒たちはなかなか分かりにくそうでしたが,やり方が分かってくると,ひもについている丸い球に視線を集中させて,真剣に取り組んでいました。

生徒の感想

● ビジョントレーニングをしてみて,画面上の点が見えていても的確にタッチできなかったり,空間認識では正確な場所を絞れなかったりしたので難しかったです。

● テニスは動きながらボールを追うので,空間認識や動体視力が大事です。これから見え方を意識したトレーニングもしていきたいです。

こんにちは。クッキング部です🌠⑱🎄

こんにちは。クッキング部です。2学期最後の部活動は毎年恒例のクリスマスメニューです。ローストチキン、生チョコケーキを作りました。毎回くじ引きで調理班を決めるのですが、もう、1年生だけの班でも手際よく料理を作ることができるようになりました。週1回の活動ですが積み重ねが力になっている証拠でうれしいです。

12.8 ローストチキン

12.15 X’mas 生チョコケーキ

次の部活動は1月12日、情報室にて「3学期のメニュー決め」です。

放射線とはどのようなもの? ~放射線の観察~

3年 生物 特別授業

令和3年度 第16号

 令和3年12月7日(火),3年生の生物の授業で「放射線」に関する特別授業を行いました。講師として日本原子力発電株式会社より佐藤壌氏と池田龍子氏をお招きし,環境教育の一つとしてこれまでに授業で学習した「放射線」について,正しい知識と興味をもてるように,実験と観察を行いながら特別授業をしていただきました。

自然界に存在する放射線

 最初に,佐藤氏に放射線について授業の復習も兼ねて,基礎的な知識から説明をしていただき,放射線が特別なものではなく,身近に存在していることを教えていただきました。まず,放射線は自然界に存在していると説明を受けました。放射性物質は大地や空気中にも存在し,宇宙からも届き,食物中にも含まれているもので,私たちは常に放射線を受け生活していると教えていただきました。また一般的には危険なイメージがある放射線ですが,医療器具の滅菌やがん治療,X線検査などの医療分野や,タイヤのゴムの強化,土器の年代測定,ジャガイモの芽止めなど,様々な分野で広く活用されており,私たちの生活に非常に役に立っていることも教えていただきました。

放射線を観察しよう!

 実際の放射線は目に見えないものですが,過冷却したアルコールの蒸気の中を放射線が通過すると,その軌跡が目に見えるので,放射線の動きを観察することができます。そのための実験装置「霧箱」を自分たちで作って観察する方法を池田氏に指導していただきました。実験装置はプリンカップやウレタンテープなど,身近な材料で比較的簡単に作成できるので,生徒たちも楽しみながら作成していました。しかし,いざ放射線の観察をしようとすると,うまく見える班とそうでない班があり,なかなか苦戦していた班も多かったようです。でも実際に放射線が四方八方に飛んでいく動きが観察できて,生徒たちは声を上げて喜んで観察していました。

放射線を遮断するには?

 次に,放射線は飛散する距離によって減衰し,遮蔽するものによって透過する度合いが異なることを確かめる実験を行いました。放射線源から4方向に放射線測定器を設置し,距離が離れるにしたがって測定値が小さくなることと,放射線源に4種類の板で作られた遮蔽物をかぶせ,それぞれの方向で測定値が異なることを確かめました。

正しい知識で,正しい判断

 生徒たちは,この特別授業で,放射線に関する正しい知識を身につけることができたようでした。授業の最後のあいさつでは「今日はいっぱい放射線について学べてよかったです。私は将来,放射線のある所の近くで住むのなら,鉛で家を作りたいです。」とユーモアを交えて謝辞を述べ,非常に楽しい中にも,貴重な経験ができた充実した授業を受けることができました。

「鯖江市SDGs探究プロジェクト」中間発表会

~普通科2年生探究活動~

令和3年度 第15号

 令和3年11月19日(金)6・7限目に,普通科2年生「鯖江市SDGs探究プロジェクト」中間発表会を行いました。アドバイザーとして鯖江市役所総務部より高崎課長・川江参事,鯖江市役所政策経営部より田中課長・藤田主査,さばえSDGs推進センターより関本所長・仲倉副所長の,6名の方にお越しいただきました。

 6会場に分かれ,1グループが,発表6分→質問2分→助言4分→評価感想記入3分の15分サイクルで報告を行いました。進行は生徒たち自身が行いました。

 10月の取材でお世話になった事業所の方や学校関係者など多くの方に参観していただき,発表についての助言・感想を付箋に書いていただきました。様々な角度からの評価は,最終発表会に向けて生徒一人一人がバックアップされ,より意味深いプロジェクトになると感じた発表会でした。

鯖江市が抱える問題について

 全34グループが選んだテーマは,めがね産業について,ジェンダー平等について,フードドライブについてなど,全て地元鯖江市で取り組まれている活動であり,その背後にある問題に着目しています。

 「鯖江市の女性の働き方」をテーマに発表したグループは,10月に川江参事と株式会社わどうの山岸社長にインタビューした経験を踏まえ,「女性の働き方や子育てについての,歴史と鯖江市の現状。ジェンダー平等や女性活躍のために,自分たちはどうすればよいか。」について発表しました。

 「なぜ女性を活躍させたいのか?」という疑問に「自分目線の活躍でなければ生きづらくなる,そのため自分目線での活躍が大切。」という回答をいただいたため,“自分でやりたいことを見つけるほうが将来幸せになる。自分自身でやりたいことを選び,自分のしたいことに挑戦することが大切である。”と,まとめました。山岸さんが見に来てくださっていることに気づいた生徒は,発表を終えてすぐ「発表どうでしたか?」と,生き生きとした表情で駆け寄りました。山岸さんから「一番大切なところを自分たちでしっかり整理してまとめられていて,正直驚いた!」というお褒めの言葉をいただき,生徒たちもほっとした様子でした。地元の方が生徒たちの可能性を最大限に引き出す色々な工夫を凝らして一緒に考えてくださるなど,多くの温かい支えがあってこそのプロジェクトだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

助言・感想の一部

●現状を改善するために,高校生として地域や社会を巻き込みながら何ができるかを示せるとさらに良かったと思う。

●鯖江は,眼鏡の政策はよく聞くが,目を良くしようとする動きは初めて知ったので新鮮だった。眼鏡をつくる

街だからこそ,目の大切さをよく分かっているのだろうと感じた。

●インタビュー内容はとても良かったと思う。課題解決の焦点がもう少し明確に絞れると次の一歩が見えると思う。

●発表中の「家事を手伝う」は「家事をシェアする」に変更すべき。家事にジェンダーがないことを理解しよう。

●自分たちの研究の焦点(なぜ自分たちは~について調べたいのか?)を大切にしてほしい。

●強調したい大切なメッセージだけは,文字を大きくするなど強調して力強く発表すると,聞いている人に大切なポイントが伝わる。