地域との協働授業「みんなの未来にエシカル消費」

~2年探究科英語~

令和3年度 第14号

 令和3年11月10日(水),2年探究科英語の授業に,鯖江市役所総務部の山田眞美子氏,森川瑞代氏をお招きし,地域との協働授業を行いました。生徒は英語教科書の “What Is the True Meaning of Mottainai?” という単元で学んだことに対する考えを深めると同時に,世界規模の問題と身近な問題のつながりについて考え,教科書の内容が現在実社会でどのような広がりをみせているかについて学びました。

キーワードは【エシカル消費】

 “使い捨ての箸の使用を全てやめるべき”“エコバッグを使おう”など,環境に優しいとされている事柄は,果たして全て正しいでしょうか。環境問題を一時的な流行としてでなく科学的にとらえ,消費者としてどのように考えて行動すべきかを,これまでの英語の授業で学んできました。今回の講義では,人や社会,環境,地域に配慮した物やサービスを選んで消費する【エシカル消費】をキーワードに,教科書の内容の復習と,実例を交えながら鯖江市の取り組みについて学びました。

What Is the True Meaning of Mottainai?

 「もったいない」を意識することは今やトレンドとなっていますが,その本当の意味を理解しているでしょうか?という問いから講義は始まりました。

 今まで割り箸を使うことは森林破壊につながるといった認識がありましたが,樹木を間伐することにより立派な丸太を育てたり,森林の整備や林業の活性化,また地滑りを防ぐなどの効果もあります。実際鯖江市は,建築などに使えない端材や間伐材を活用し割り箸を作る事業に取り組んでいて,実物も見せていただきました。

  また“エコバッグを使う”ことは当たり前のように推奨されてますが,実際はエコバッグを生産するためにより多くの石油を必要とする場合があるということでした。現在は石油資源の節約とCO2削減が実現できるバイオマス素材配合率が25%以上の買物袋もあり,実物を用いて紹介していただきました。

 こうした観点から,我々消費者がとるべき行動の一つとして,環境問題などに配慮した商品につけられる様々なエシカルマークを知り,そのマークのついた商品を購入することを学びました。マークを一つ一つ紹介いただき,たくさんの身近な商品を手に取ってマークを確認したり,エシカルマークのチャレンジマップ作成のグループワークを行ったりしながら,生徒たちは、更に環境問題やエシカル消費への意識を高め、自分達の行動について考えを深めました。

生徒の感想より

●実物を用いての解説が,イメージがつかみやすく理解しやすかった。これからはマークの付いた商品を探して買うようにしたい。

●今まで想像もできなかった観点から,環境について考えることができた。自分たちができることをコツコツ行い,未来の自分たちが生きやすい世界を,自分たちでつくっていきたい。

こんにちは。クッキング部です🎃⑰🍃

こんにちは。クッキング部です。10月に入っても20℃を超える暖かい日が続き、暦の上で秋とは言うもののピンとこない毎日でした。11月はようやく寒暖の差が大きくなり、銀杏やモミジの紅葉が見ごろを迎えています。この時季の代表的な食材を使って調理しました。

10.20 丸ごとさつまいものミートグラタン

やはり外せないのがさつまいも。せっかくなので丸ごと使って器にしました。もちろん全部食べられます。ミートグラタンにしたことで更に食べごたえがアップしました。

10.27 かぼちゃのパウンドケーキ

かぼちゃは大きめに潰して食べながらも存在感を味わえるようにしました。カットした断面からもゴロゴロ感が伝わります。アイシングしてパンプキンシードを散らしたことで、香ばしさとかぼちゃの食感+ラム酒風味の贅沢なパウンドケーキに仕上がりました。

11.10 秋鮭とふくいの恵みのクリームドリア

海・山・里すべての食材を一皿にまとめた料理です。福井県産コシヒカリ、福井市の越前ほうれん草、大野市の九頭竜マイタケ、まさに福井の恵みをクリームで包み込んだ秋のごちそうになりました。ふくいサーモンが手に入れば最強だったのですが・・・、楽しみは次回に取っておきましょう!!

11.17 ふわふわスフレパンケーキ

「お店のようなふわふわでぶ厚いパンケーキ」に憧れてチャレンジしてみました。今までの経験からメレンゲがキーポイントになると予想をつけ、固さ、混ぜ込み方に細心の気を配りました。

厚み(高さ)が出るよう、生地はこんもりと小さめにホットプレートで。低温でじっくりふっくら焼き上げました。

みんな思いおもいの飾りつけをしました。学校敷地内に生えているミントを添えるだけでグッと「お店のパンケーキ」に近づけたように思います。

次の部活動は、期末試験後の12月8日「ローストチキン」クリスマスメニューです🎄

「高分子」は身近な素材 ~日華化学の技術に学ぶ~

3年 化学 特別授業

令和3年度 第13号

 令和3年11月17日(水),3年生の化学の授業で「高分子」に関する特別授業を行いました。講師として日華化学株式会社より界面科学研究所フェローの松田光夫氏をお招きし,これから授業で扱う「高分子」について興味をもって学習していけるように,高分子にはどのような特徴があり,どのように活用され製品化されているのかなど,実際に日華化学で取り組んでいることについて講義をしていただきました。

繊維加工と高分子

 日華化学では,有機合成・高分子・界面制御技術を使って,さまざまな製品開発を行っており,今回の特別授業では,これから学ぶ「高分子」の内容に合わせて,繊維加工について,その特徴や製品などについて説明をしていただきました。すでに学習した「親水基」と「疎水基」のはたらきを復習し,それらの配列を変えることで,「湿潤・浸水」と「撥水」や,「起泡」と「消泡」のように逆の効果を発生させたり,「洗浄」や「乳化」,「潤滑」,「抗菌」など目的や用途に応じて様々なはたらきのものを設計して作り出すことができることを教えていただきました。また「モノマー」と「ポリマー」を人の形の図で表して分かりやすく解説して,様々な高分子の構造について基本的なことを教えていただきました。現在,日華化学で開発している繊維加工について,これらの仕組みがどのように使われているのか,それによりどのような効果があるのかを,具体的に説明していただき,授業で学習する「化学」の内容が,身近なものに応用され,実際に社会や人々の生活に役に立っていることに気付くことができました。「シリコーン系柔軟剤」では疎水基を外側に向けて配列することにより,疎水基同士の滑りあいにより摩擦係数が低減し,柔軟な感触を与えることできることや,「綿用染料固着剤」では染料とフィックス剤がイオン結合によりしっかりと固着することなどを,分かりやすい図を使って解説していただきました。

つくる責任 つかう責任

製品開発の一方,高分子の課題についても説明していただきました。高分子化合物であるプラスチックは自然には分解されず,海洋プラスチックごみ問題など,世界規模で問題となっています。SDGsの目標でもある「つくる責任 つかう責任」を考え,日華化学でも環境に配慮した研究や製品開発にも積極的に取り組んでいることを説明していただきました。そしてサスティナブルな世界を実現する手段として「電気を通す高分子」や「生分解性の高分子」,「命を救う高分子」の開発など,いくつかの例を挙げて高分子の未来について提言をしていただきました。

生徒から質問

 生徒から「部活動で使っているサポーターが蒸れて不快なのですが」という質問が出されました。それに対してサポーターの素材と蒸れる原因について説明していただき,水は通さないが水蒸気は通す素材があるので,今後はサポーターなどにも応用できるかもしれないと教えていただきました。また蒸れることでにおいが発生したりするが,菌をコントロールする素材も開発されているので,その技術も応用できるかもしれないと付け加えて答えていただきました。

第1回運営指導委員会ならびに公開授業を行いました

~2年探究科 課題研究 中間発表会

令和3年度 第12号

 令和3年11月2日(火),地域との協働による高等学校教育改革推進事業第1回運営指導委員会ならびに公開授業を行いました。 今回の公開授業では,2年探究科の授業を参観していただきました。

 理系・文系に分かれ,各個人または2~3人のグループが,それぞれのテーマについての問いを設定し,仮説(予想)を立て,実験や調査によって結論を導きだすという課題研究の中間発表会を行いました。スライドにまとめた内容をスクリーンに映し出し,もち時間5分での発表会でした。生徒たちはやや緊張した面持ちながら,大勢の前で発表をするということに慣れてきた様子でした。

課題研究のみちしるべ

 発表毎に仁愛大学の西出先生・織田先生・高野先生に,良かった点や改善すると良い点などをポイントを押さえて助言していただき,これからの課題研究に明確な道しるべをいただきました。

 「効率の良い換気の方法とは?」という問いを立てた生徒は,コロナが流行している中で換気の重要性に着目しました。一時間に一回,教室の換気を行って二酸化炭素濃度を測定し,データを基に換気は重要であるという結論を出しました。また室内に滞留する二酸化炭素の危険性を調べ,今後効率の良い換気方法を実験していきたいということでした。

 西出先生より,将来自分が行きたい方向からテーマを選ぶのはモチベーションも上がりとても良いこと,データを基に数値化する再現性はとても重要で,結果に客観性がもてて大変に説得力がある,との言葉をいただきました。また,問いに対して導き出した結果が問いの答えになってない場合には迷わず問いを変えればよい,との逆転の発想には生き方が楽になるような精神論も含まれていたように思います。

 探究活動では,コミュニケーション能力やいろいろな力が知らない間についている,これからの活動を楽しみにしているとのエールをいただきました。

問題点をえぐりだす

 公開授業を運営指導委員会の方々にさまざまな観点・角度から参観していただき,運営指導委員会ではそれぞれの立場から以下のような指導・助言をいただきました。

●この探究活動を,学習として単にやったというだけではなく,是非公表をしてもらいたい。そうすることによって企業から評価をいただき,課題に取り組んだ責任を果たすことになる。

●課題を見つけるテクニックは上手くなったが,自分と周りとの関わりが見えづらかった。自分と地域社会との関係性を考えられると,自分たちで課題解決に挑み社会をつくろうとする。

●質問者は手を挙げて自主的に質問をするべき。的確な質問をして,相手をやりこめるのではなく,問題点をえぐりだすことが重要。

今後またこれらのご意見を取り入れながら,地域協働事業が充実したものとなるよう取り組んでまいります。