仁愛大学との高大連携・高大接続に関する協定書締結!

教育のより一層の充実を図る

2月26日(金)本校は仁愛大学と、高大連携・高大接続に関する協定を締結しました。協定により、来年度以降の探究活動指導や授業力向上のための改革を、これまで以上に充実させていくことができるようになります。

仁愛大学で行われた締結式で、田代俊孝学長は「高大接続改革は国の教育改革にとって重要な施策である」とした上で、「仁愛大学は地域に密着した大学であり、大学のもつ知見や知的財産を地域に還元していくことは使命である。地元の鯖江高校との交流推進を図り、高等教育の充実に寄与できることは大変うれしい」と挨拶されました。

また、福嶋洋之校長は「社会の持続的な発展を支え、生きる力を育成していくことは、高校・大学両者の喫緊の課題」であるとし、「新たに始めた本校の探究活動に対して、大学の先生方のご指導をいただき、また、教員の授業力向上やICTの活用等さまざま分野でのご支援をいただけると期待でき大変心強い」「鯖江高校の生徒と仁愛大学の学生、教職員相互の交流によって、教育の質的転換と生徒や学生の着実な成長につなぎたい」と語りました。

鯖江高校は、文部科学省所管の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業実践校」の指定を受けたことを契機とし、令和元年6月に自治体・産業界との相互連携協定を締結し、地域との協働を柱に、普通科専門コース・探究科の特性を活かしつつ、持続可能な地域社会を形成する市民の育成に向けたカリキュラムの開発を進めています。今回新たに、仁愛大学との連携協定を結んだことにより、行政・経済界・研究機関の全面的サポートを受けられるようになり、地域に根ざした学校づくりの推進と、将来、地域で活躍する市民の育成を目指すための環境が整ったといえます。この環境をどのように活用していくか、具体的な活動内容は今後決めていきますが、私たち教員の手腕が問われます。

民族楽器にチャレンジ at 鯖江高校

やってみよう! 民族音楽

2月17日(水)3限目、選択音楽を受講する1年生が世界各地の民族楽器について学習しました。講師として、民族楽器収集家であり、「轟音」というアマチュア演奏集団の一員でもある森眞一郎さんをお招きしました。コロナ禍と大雪の影響もあり実施が危ぶまれましたが、昨年に引き続き、今年もご協力いただくことができました。

異文化理解と創作

まずは、20種類を超す楽器に触れた後、楽器紹介と音の出し方について説明を聞きました。その後、2グループに分かれてそれぞれ別の創作活動に挑戦しました。一つのグループは、「楽器でおしゃべりをしてみよう」と「祈りを表現してみよう」という課題に取り組みました。おしゃべりする際には、他民族が言葉を使用せずに意思伝達に用いる楽器(バードコール、トーキングドラム、エクタール、クィーカ、モーニップ)のみで自分の好きなものを伝え合おうとしました。また、祈りを表現する活動では、金属製の楽器(オーシャンハープ、クロティール、シンキングボウル、アンティックシンバル、がもも、カウベル、ハピドラム)の中から好きなものを選び、静寂な雰囲気を表そうとしました。

もう一つのグループは、「物語にBGMをつけよう」と「アンクロン合奏に挑戦してみよう」という課題に取り組みました。物語にBGMをつける活動では、日ごろあまり耳にすることのない音色を用いて、朗読にBGMを合わせました。この活動には、バードコール、カリンバ、サウンドホース、スプリングドラム、レインスティック、オーシャンドラム、ブルロアー、ウィンドバンドが用意されていました。アンクロン合奏では、インドネシアの民族楽器を使って「きらきら星」を演奏しました。

授業のまとめとして、森先生は次のような言葉を生徒たちに贈りました。 「世界には色んな楽器があることを知ってもらいたい。そして、ひとつのことができるようになるには、こつこつと練習する必要がある。これらのことを覚えておいてほしい。」

これまでに手にしたことのない多くの楽器に触れることができる興奮だけでなく、創作活動にも挑戦することができるとても楽しい雰囲気を感じる授業でした。

生徒の感想

森さんが持ってきてくださった楽器はどれも初めて見るもので、見たり触ったりするのがとても新鮮で楽しかったです。その中からお気に入りの楽器を見つけることができてよかったです。

教科書で見ていた楽器の他にも多くの種類の楽器があり、それらを見て触ってみることで、楽器を演奏することの難しさや楽しさを知ることができました。竹、木、鉄、水など身近にあるもので作られた楽器が多く、吹奏楽やオーケストラで使われているフルート、オーボエ、バイオリンなども元々は民族楽器のような感じだったのかなあと思いました。

楽器で意思疎通をしている民族の人はすごいと思いました。他にも民族楽器を調べてみたいなと思いました。

民族楽器は大きくて大胆な音が出るのだと思っていたので、やさしくてかわいらしい音を聴いたとき意外だなと思って面白かったです。ボウルをこすって音を出すシンキングボウルは、授業が終わってから挑戦しましたが、音を出すことができませんでした。森先生も5年かけて弾けるようになった楽器があるとお話しされていたので、根気強く練習することがとても大切だと思いました。

古典芸能を学ぶ ~人形浄瑠璃体験~

実際に触れて演じて、魅力を感じる

2月10日(水)6限目、選択音楽を受講する2年生が人形浄瑠璃について学習しました。「近松座」から大橋國利さんをはじめ7名をお招きしました。「近松座」は平成17年に鯖江市の有志の方々が立ち上げた人形浄瑠璃座です。元禄文化を築いた近松門左衛門は、幼いころ鯖江に住んでいたという史実があり、文楽のまち鯖江として、古典芸能を多くの人に知っていただきたいと現在も活動をつづけていらっしゃいます。コロナ禍と大雪の影響もあり実施が危ぶまれましたが、昨年に引き続き、今年もご協力いただくことができました。

呼吸を合わせる

人形浄瑠璃は、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。太夫と三味線は、どちらが指揮者というわけでもなく、お互いの呼吸を合わせて進めていきます。

太夫役は4名の男子生徒。情景や感情を三味線の音色に合わせて、情感たっぷりに語っていきます。台本には音階や強弱などの微妙な違いが記号で書き込まれています。記号の1つである「サワリ」は、一番心をつかまれる聴かせどころを指していて、現代語にも残っています。太夫担当の生徒は、南和彦さんからさまざまな資料をいただきながら熱心に練習し、一人でも大きな声で堂々と語れるまでになりました。

三味線担当は6名の生徒。初めて触れた三味線に少しびくびくしながらも、栗山祐子さんから約20分間の指導をうけ、太夫の語りにタイミングを合わせて撥で力強くつま弾けるようになりました。

人形遣いの担当の生徒は、3人グループに別れ順番に人形操作を学びました。人形は3人で1体を動かします。3人の息を合わせて、人間が動いているように見せなければなりません。胴部を支え、頭部と右手を操作する人。右手で人形の左手の操作する人。かがんだ姿勢で足を操作する人。生きているように操作できるまでには相当な練習が必要だと感じました。また、人形の構造の説明を教えていただき、指やまぶたの動きの細かさに驚く生徒もいました。

今後、各担当で練習を重ね、6月に成果発表会をする予定です。

文楽を映像で見て知っているというレベルでなく、実際に声に出し、人形や三味線の重さを実感することを通じて、江戸時代の人々の生活をより深く理解することにつながっていきそうです。また、江戸文化への発展学習や、古文読解や人間の動きの研究、英語版の台本創作など、教科を横断した学習の可能性を感じることができた授業でした。

生徒の感想

なかなか体験できない三味線を体験することができてとても楽しかったです。

中学校の時、人形遣いの体験をしたことがありましたが、三味線は初めてでした。新しいことに挑戦できて楽しかったです。

三味線の体験をしました。普段はギターを弾いているので、ある程度はできるかと思いましたが、バイオリンのようにフレットが打っていないので正確な音を探すのがとても難しかったです。

★太夫は声だけで役を表現しなくてはならなく、声の出し方や話し方、長さなど、さまざまな工夫が必要であることが分かりました。練習を重ねて、よりよい表現ができるようになりたいです。発表会では緊張して早口にならないよう、ゆっくりと語れるように練習したいです。

前市長と語る会 ~鯖江市の魅力発見~

鯖江で学ぶことに誇りを

2月12日(金)7限目、1年生総合的な探究の時間に「前市長と語る会」を開きました。牧野百男氏は、昨年10月まで16年間鯖江市長として活躍され、現在は国連の友Asia‐Pacific特別顧問としてご活躍中です。今回、新年度から鯖江市をテーマとした探究活動に取り組む1年生に向けて鯖江市への理解を深めるきっかけにと、本校卒業生でもある牧野氏は市長時代に行った取組みなどを紹介してくださいました。コロナ感染防止に配慮し、視聴覚室には各クラスからの直接聴講希望者約30名が集まり、その他の生徒は教室でリモート視聴しました。

日本を面白くするイノベーティブシティ第4位のまち

牧野氏はまず、世界的経済誌「Forbes JAPAN」に掲載されたイノベーティブシティランキングを紹介し、鯖江市が全市町村1,718のうちの第4位であることを教えてくださいました。そして、鯖江の名産品や自然環境、産業について説明され、世界に誇れる技術力のあるまちだとおっしゃいました。また、学生連携、市民主役、IT・オープンデータの先進地としてのさまざまな取組みのなかで、とくにSDGs5番の『ジェンダー平等実現』に向けた市の取組みについて語っていただきました。

講演を聴いて、1組の山田煌桜さんは「ジェンダー平等で気をつけていたこと」について質問しました。牧野氏は、日本の昔の男社会で培ったものを払拭していくのは難しいとしながらも、「男女が互いに尊重し、互いに分かり合う大切さを、諦めずに少しずつ意識されていくよう進めていくこと」だとお話しされました。そして、ものづくりを支える女性の力をもっともっと生かし、「鯖江モデル」として国内外に発信していってほしいとのエールをいただきました。

生徒の感想

★鯖江市に住んでいるのに知らないことばかりでした。鯖江市は世界との関わりがとてもあり、いろいろなボランティアもあったので、参加してみたいと思いました。

★ジェンダー平等というのはとても難しいと思いますが、牧野さんの取組みで女性のチャンスが広がっていることを知りました。鯖江から全国へ活動を広めていけたらいいなと思いました。

★眼鏡産業が活発なことは知っていたけれど、漆器産業や繊維産業も盛んだとは知りませんでした。また、たくさんの人が楽しめる行事がありました。女性中心のまちづくりもすごいなと思いました。

地域との協働による高等学校教育改革推進事業 最終年度にむけて

放課後には教員対象にも同様に講演され、全日制・定時制の教員が約1時間聴講しました。その場では、学校再編によって鯖江市では唯一の高校になった母校鯖江高校で働く教員に向けて、「もっと地域を連携して元気な鯖江を発信していってほしい」という願いを語り、「探究科や専門コースができたことで注目・期待されている状況を卒業生として誇らしく思っている」と述べられました。

文部科学省による「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の令和元年度指定校としての取組みもあと1年となりました。「オールSABAE」の構築のもと、持続可能な地域社会を形成する市民の育成に、新年度はコロナに負けずに、教職員一丸となってより一層進めていきたいと考えています。

こんにちは。クッキング部です?⑬Part1?

少しづつ春めいてきましたが3学期1回目の活動報告です。年明け早々数年に1度の大雪に見舞われたり、コロナに関しても良い兆しが見えてくることもない中、3年生に卒業プレゼントを渡すことができたこと(顧問から)が心が和らいだひと時でした。

【1.27 みかんパウンド

冬にはたくさんの種類のみかんがスーパーに並びます。箱で買ったものの正月過ぎには飽きてきて・・・、そんなみかんを違った形で食べてみようとケーキの中に入れてみました。オレンジケーキよりはあっさりした仕上がりです。

【2.3 ミートパイ】

クッキング部で重宝しているパイシート。しかし考えてみたらアップルパイやチョコパイなどスイーツにしか使ってないような気がします。ミートパイは野菜もお肉もたっぷり入っていてしっかり主菜レシピ。サクサクしたパイ生地の中にしっとりジューシーなお肉がとってもおいしかったです。ひき肉に合わせる具材はアレンジ自由。

【2.10  防災食づくり with JRC部】

JRC部より「防災食をつくりませんか?」と提案され、 ・白ごはん ・さば缶と切り干し大根の和え物 ・蒸しケーキ  に挑戦しました。

ポリ袋に食材を入れ「湯煎する」「和える」だけで災害時のメニューとは思えないものが出来上がりました。” もしも・・” の時にはポリ袋のまま食べればよいので、器や洗い物の必要がなく便利です。和えたりこねたり小さい子どもも楽しく ” お手伝い ” できるのが良いと思います。

【2.17 鶏だんごとタラの鍋】

冬が旬のタラをこの時期定番のお鍋に入れました。食材を切って煮込むだけでは物足りないので鶏だんごも作ることにしました。タラは身が淡泊なぶん野菜や鶏肉の旨味が染み出た出汁が際立ちました。

Part2へつづく・・

こんにちは。クッキング部です。?⑬Part2?

【2.26 卒プレ作り&渡し】

今年も心を込めてプレゼントを作りました。私たちが直接渡すことはできなかったけど(顧問の先生から渡し)気持ちは伝わったかなと思います。

【3.10 キンパ&チヂミ】

キンパもチヂミも具だくさん。おまけに細かく切るものばかりです。「キンパ」のキン(ム)は「海苔」、パ(フ)は「ご飯」の意。ごはんと色んな種類の具材を用いて、ごま油で味付けするのが特徴です。日本でいう太巻き寿司。

海苔の上のごはんとその上に乗せる具材の量が難しい。少ないと細巻に、多いとはみ出してしまいます。一気に巻いたら濡らした包丁でラップごと切り分けます。きれいな断面にテンションが上がりました。

ごま油とコチュジャンの味付けでたちまち韓国料理になりました。

【3.17 いちごのシフォンケーキ】

今年度最後の部活動は1年生2人で作りました。2年生は翌日からの修学旅行に備えます。1人で1ホールにチャレンジしました。フレッシュいちごをミキサーにかけ生地に練りこみました。色も香りもすっかり春色です?

地域協働ニュース第17号 仁愛大学との高大連携・高大接続に関する協定書締結!

教育のより一層の充実を図る

 令和3年2月26日(金)本校は仁愛大学と,高大連携・高大接続に関する協定を締結しました。協定により,来年度以降の探究活動指導や授業力向上のための改革を,これまで以上に充実させていくことができるようになります。

 仁愛大学で行われた締結式で,田代俊孝学長は「高大接続改革は国の教育改革にとって重要な施策である」とした上で,「仁愛大学は地域に密着した大学であり,大学のもつ知見や知的財産を地域に還元していくことは使命である。地元の鯖江高校との交流推進を図り,高等教育の充実に寄与できることは大変うれしい」と挨拶されました。

 また,福嶋洋之校長は「社会の持続的な発展を支え,生きる力を育成していくことは,高校・大学両者の喫緊の課題」であるとし,「新たに始めた本校の探究活動に対して,大学の先生方のご指導をいただき,また,教員の授業力向上やICTの活用等さまざまな分野でのご支援をいただけると期待でき大変心強い」「鯖江高校の生徒と仁愛大学の学生,教職員相互の交流によって,教育の質的転換と生徒や学生の着実な成長につなぎたい」と語りました。

 鯖江高校は,文部科学省所管の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業実践校」の指定を受けたことを契機とし,令和元年6月に自治体・産業界との相互連携協定を締結し,地域との協働を柱に,普通科専門コース・探究科の特性を活かしつつ,持続可能な地域社会を形成する市民の育成に向けたカリキュラムの開発を進めています。今回新たに,仁愛大学との連携協定を結んだことにより,行政・経済界・研究機関の全面的サポートを受けられるようになり,地域に根ざした学校づくりの推進と,将来,地域で活躍する市民の育成を目指すための環境が整ったといえます。この環境をどのように活用していくか,具体的な活動内容は今後決めていきますが,私たち教員の手腕が問われます。

卒業式

 3月2日(月)、令和2年度 福井県立鯖江高等学校全日制課程第73回、定時制課程第69回卒業証書授与式が厳粛に挙行されました。

 校長先生より全日制課程185名、定時制課程15名に卒業証書が授与されました。今年も新型コロナウイルス感染症対策のため、在校生が出席しない卒業式となりましたが、校長先生は式辞で温かい励ましの言葉を贈りました。また、来賓の方から心温まるお祝いの言葉や多くの方々より祝電をいただきました。

<校長式辞>

 今年度はいきなりの臨時休業から始まった。朝登校し授業を受ける、放課後は部活動に励んだり、アルバイトに精を出したりするなど。そんな当たり前のことが、いかに貴重で有意義なことだったか。「失って初めて、その大切さを知る」、今回改めてこのことを確認できたとしたら、今年度の様々な経験も大きな意味があった。

 本校の「教育方針」3つのうちのその1つ目は「1.真理と正義を愛し、生命と平和を尊ぶ人間を育成する」である。卒業生の皆さんには今後も身に付けた真理と正義を更に磨き、生命と平和への思いを新たにするとともに、安心安全で戦いや差別のない社会の構築に貢献してほしい。

<PTA会長祝辞>

 自粛、また急な変更の多い1年だったと思う。いろいろなことがあったが、今思い返すと、一昨年の駅伝大会県予選会で7年ぶりの全国大会の切符を手にしたことが非常に印象に残っている。私も一緒に応援し、鯖江高校を誇らしく思った。

 私の好きな言葉に「Connecting the dots(コネクティング ザ ドッツ)」がある。これはスティーブ・ジョブズ氏の言った言葉で、点と点をつなぐという意味である。「今やっていることは何のためなのか分からない」、「結果につながらない」ということもたくさんあると思う。しかし、振り返ってみるとこれまでの様々な経験は今後の人生に必ずつながっていく。より良い人生になるように、挑戦する気持ちを忘れずに今を精一杯生きてほしい。

地域協働ニュース第16号 民族楽器にチャレンジ at 鯖江高校

やってみよう! 民族音楽

 令和3年2月17日(水)3限目,選択音楽を受講する1年生が世界各地の民族楽器について学習しました。講師として,民族楽器収集家であり,「轟音」というアマチュア演奏集団の一員でもある森眞一郎さんをお招きしました。コロナ禍と大雪の影響もあり実施が危ぶまれましたが,昨年に引き続き,今年もご協力いただくことができました。

異文化理解と創作

 まずは,20種類を超す楽器に触れた後,楽器紹介と音の出し方について説明を聞きました。その後,2グループに分かれてそれぞれ別の創作活動に挑戦しました。一つのグループは,「楽器でおしゃべりをしてみよう」と「祈りを表現してみよう」という課題に取り組みました。おしゃべりする際には,他民族が言葉を使用せずに意思伝達に用いる楽器(バードコール,トーキングドラム,エクタール,クィーカ,モーニップ)のみで自分の好きなものを伝え合おうとしました。また,祈りを表現する活動では,金属製の楽器(オーシャンハープ,クロティール,シンキングボウル,アンティックシンバル,がもも,カウベル,ハピドラム)の中から好きなものを選び,静寂な雰囲気を表そうとしました。

 もう一つのグループは,「物語にBGMをつけよう」と「アンクロン合奏に挑戦してみよう」という課題に取り組みました。物語にBGMをつける活動では,日ごろあまり耳にすることのない音色を用いて,朗読にBGMを合わせました。この活動には,バードコール,カリンバ,サウンドホース,スプリングドラム,レインスティック,オーシャンドラム,ブルロアー,ウィンドバンドが用意されていました。アンクロン合奏では,インドネシアの民族楽器を使って「きらきら星」を演奏しました。

 授業のまとめとして,森先生は次のような言葉を生徒たちに贈りました。

 「世界には色んな楽器があることを知ってもらいたい。そして,ひとつのことができるようになるには,こつこつと練習する必要がある。これらのことを覚えておいてほしい。」

 これまでに手にしたことのない多くの楽器に触れることができる興奮だけでなく,創作活動にも挑戦することができるとても楽しい雰囲気を感じる授業でした。

生徒の感想

★森さんが持ってきてくださった楽器はどれも初めて見るもので,見たり触ったりするのがとても新鮮で楽しかったです。その中からお気に入りの楽器を見つけることができてよかったです。

★教科書で見ていた楽器の他にも多くの種類の楽器があり,それらを見て触ってみることで,楽器を演奏することの難しさや楽しさを知ることができました。竹,木,鉄,水など身近にあるもので作られた楽器が多く,吹奏楽やオーケストラで使われているフルート,オーボエ,バイオリンなども元々は民族楽器のような感じだったのかなあと思いました。

★楽器で意思疎通をしている民族の人はすごいと思いました。他にも民族楽器を調べてみたいなと思いました。

★民族楽器は大きくて大胆な音が出るのだと思っていたので,やさしくてかわいらしい音を聴いたとき意外だなと思って面白かったです。ボウルをこすって音を出すシンキングボウルは,授業が終わってから挑戦しましたが,音を出すことができませんでした。森先生も5年かけて弾けるようになった楽器があるとお話しされていたので,根気強く練習することがとても大切だと思いました。